2015年のはじめ、柴静のことが日本のメディアでも取り上げられました。柴静が私費を投じて独自に作成したドキュメンタリー作品『穹頂之下(Under the Dome)』が中国本土で数億回も再生されて話題になり、政府による閲覧禁止の処置を受けたためです。
『穹頂之下(Under the Dome)』は、具体的な証言やデータに基づいて、中国の大気汚染の深刻さを指摘するものです。しかし、事実を列挙するだけではなく、同時に私たちには次世代に対して美しい世界を残す責任がある、という柴静のメッセージも含んでおり、共感を呼びます。日本の報道はしばしば中立性・客観性を重視しますが、『穹頂之下(Under the Dome)』を見ていると、そもそもジャーナリズムとは何か、報道は何を重視するべきかといったことを考えさせられます。