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中国文学映画関連 備忘録

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李陀《汪曾祺与现代汉语写作──兼谈毛文体》

李陀《汪曾祺与现代汉语写作──兼谈毛文体》は中国が建国以来、毛文体によって支配されてきたという観点から、それを打ち破った汪曾祺を評価するもの。

非常に示唆に富んでいます。

大衆語に関する議論。毛沢東の理論の先取りとしての瞿秋白。

《复仇》に基づく文体の分析も面白いです。汪曾祺が一時、翻訳体を選び、そしてそれを捨てたという指摘。西洋の小説に対する理解、古典に対する理解、それらが汪曾祺を支えているという観点。

言葉そのものに着目する、という立場は参考になります。


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李陀《1985》

李陀《1985》は李陀による1985年の回顧。

阿城《棋王》の結末。文革と改革の中で小さなグルーブが生まれて闊達な議論が交わされたことに関して。危機感からの北岛《回答》。毛沢東による「工農兵文芸」からの脱却としての汪曾祺《受戒》、そしてそれに続く尋根文学。意識の流れを模倣して批判された王蒙の《春之声》《海的梦》。

そして文学の世界意外にも及んださまざまな変革。詩歌における《深圳青年报》など、芸術における各種展覧、《黄土地》をはじめとする映画における第五世代の変革。

「現代化」に対する反省。五四以降の中国にとって課題として出現してきた「現代化」に対する再考。西方式的“现代化”为什么必定是一股不可抗拒的潮流?という問いは極めて興味深いです。

そして、尋根文学が提起されたともいわれる杭州会議に関して。

示唆に富む評論。

李陀からよれば「傷痕文学」「改革文学」もまた「工農兵文芸」の延長でしかなく、本当の転換点は1985だという指摘は興味深いです。