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中国文学映画関連 備忘録

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『「作家」茅盾論』「第4章 『追求』論」

「第4章 『追求』論」では「創造」『追求』が論じられています。

「創造」は、女性を思うがままに教育しようとした男性が結局女性に捨てられる物語。茅盾にとって、「創造」は過去を対象化して絶望的な現在に向き合う契機となったのではと著者は分析。『追求』は革命の失敗後新しい道を探そうとした若者がみな不幸になる物語。

著者は、『追求』に関して「大きな物語」の不在という点において現代にも通じる価値がある、と読み解きます。


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『「作家」茅盾論』「第3章 茅盾小説における運命認識――『動揺』論補遺」

「第3章 茅盾小説における運命認識――『動揺』論補遺」では、茅盾が北欧神話の運命論に影響されたのではないかという分析がなされています。

中国では作品への直接的影響があると研究もあるようですが、著者は、あくまで「作家精神」への影響だと分析します。具体的には未来や過去ではなく、現在に向き合うという姿勢が、北欧神話のヴェルダンディの支配に身を任せることだったと読み解きます。

『「作家」茅盾論 』「第1章 『幻滅』論」

『「作家」茅盾論 』「第1章 『幻滅』論」は、茅盾のデビュー作である『幻滅』を論じたもの。

章静にとって二度の幻滅があり、それぞれの性質は異なる、と分析。

そして、ラストは一般的には幻滅だとまとめられるが、かすかな希望なようなものも垣間見えて単なる幻滅とはまとめられない、と指摘しています。そして、ある女性の成長物語としてみることも可能と読み解きます。


平山勉「第1章 満鉄調査の慣習的方法—統計調査を中心として」

「第1章 満鉄調査の慣習的方法—統計調査を中心として」は、平山勉による満鉄研究。『満鉄の調査と研究 : その「神話」と実像』所収。

どのような統計の方法を用いていたのか、といった点を丹念に探ったもの。

満鉄の調査機関による統計は、全数調査などを自ら実施するのではなく、他の機関の資料を借りることによって成り立っていたと分かります。それは、日本の官庁の基準には合わず、それが軋轢を生んだ、と推測されています。

満鉄の調査機関の作成した資料はあとからその調査の過程を知ることができないものが多く、問題を孕んでいると分かりました。

過去を研究する場合意識するべき点などを考えさせられました。



松村高夫、柳沢遊、江田憲治「序章 満鉄の調査・研究活動の問題性と本書の立場」

松村高夫、柳沢遊、江田憲治「序章 満鉄の調査・研究活動の問題性と本書の立場」。『満鉄の調査と研究 : その「神話」と実像』所収。

どのような問題意識に基づいて『満鉄の調査と研究 : その「神話」と実像』の議論を展開していくのかということを説明していて参考になりました。

簡潔にまとめると、当時の脈絡の中で理解していくという姿勢、になりそうです。