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中国文学映画関連 備忘録

2014/4/17『苏童小说论』

2014/4/17『苏童小说论』を買うのはお金がないので結局断念。立ち読みしただけなので正確ではありませんが、吴雪丽は苏童のことをおよそ次のように読み解いています。ほぼ同意できる分析だと思います。
苏童の文学は、「末世的颓废(世紀末の退廃?)」という言葉でまとめられる。「反启蒙」的であり、「人間の努力によって歴史は進歩していき、社会はより良くなる」という考え方を否定している。そして、「个体悲歌」に焦点を当てる点、つまり歴史に翻弄される個々人のストーリーに寄り添う点が特徴。そのため、「后现代小说」(ポストモダン小説)といえる。先鋒文学に分類される他の小説家(余華、格非)たちと同じように海外文学の影響も受けている。しかし、同時に「江南文学」や、紅楼夢の伝統も色濃く引き継いでいる点が苏童の独創性。
第五章は、「废墟上的舞蹈」というタイトル。吴雪丽は、苏童が「人性的本质是与生俱来的恶(人間の本質とは、すなわち生きることに伴う悪だ)」「历史的本质是颓废和虚无,历史不过是一种叙述和修辞(歴史の本質とは、退廃と虚無であり、歴史は一種の叙述と修辞でしかない)」と考えている、とまとめます。
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