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中国文学映画関連 備忘録

《马路天使》(1935)

《马路天使》(1935)は、1930年代に中国上海で製作された白黒映画。監督は袁牧之。

物語の舞台は、当時の中国上海。小红(周璇・妹)と小云(赵慧深・姉)姉妹は東北から上海に来ました。二人は経済的に苦しいため、小云は娼妓として働き,小红は茶楼で琴師に従って歌を歌っています。小紅は、向かいに住んでいる隣人、ラッパ吹きの小陈(赵丹)と惹かれあいます。そして、時には、こっそりと会うようになります。

姉妹は琴師が小红を金持ちに紹介しようとしていることを察知して小陈に助けを求めます。小陈たちは最初弁護士に相談しましたが金がなくて相手にされません。小陈とその友人たちは、小红を伴って逃亡することを選びます。そして、彼らの新生活は始まります。しかし、琴師と金持ちによって、居場所を突き止められて問答になります。小紅は逃亡に成功しましたが、小云は揉みあいの結果、傷を受けます。医者は大金を要求して現れず、最終的に小云は亡くなります。

上海の映画。

映画には喜劇としての側面と、愛情の物語としての側面があります。メリハリがきいています。映画のテンポ、ギャグなどは今見ても理解できてしかも面白いと感じられる、ということを中国人の留学生は述べていました。

《马路天使》は「映画は上海社会の低層におかれた人々の苦しい生活と暗黒の一面を描き出している」と中国では評されているそうです。1930年代の左翼映画の代表作として今でもよく言及されています。貧困や格差の問題が扱われており、弁護士や医師が金銭のために動いて、貧しい人を助けない点などはリアルです。

また背景のセットなどが時代を感じさせて面白いです。なんとなく、演劇を想起しました。

また改めて見直してみたいです。
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