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中国文学映画関連 備忘録

王家衛《重庆森林》『恋する惑星』

《重庆森林》『恋する惑星』は、王家衛監督が1994年に制作した映画。二つの恋愛に関する物語が描かれています。一つは、警官223号(金城武)と金髪の女性(林青霞)のすれ違いの物語。もう一つは、警官663号(梁朝偉)と阿菲(王菲)の物語。

警察223何志武は失恋した後、走って汗を流すことによって涙を流すことに替えています。何志武は自分の誕生日である5月1日をタイムリミットと定めます。そして、一ヶ月の時間を設けて、仮に誕生日までに彼女が戻ってこなかったら、彼のこれまでの恋愛は期限切れになるのだと決めます。そして、その間パイナップルを食べ続けます。期限切れを迎える前の日、彼はバーで指名手配犯の金髪の女性と出会います。そして、ホテルに行きますが、女性は休息を必要としていました。何志武は一人テレビを見ながら食べ物をとり続けて、朝を迎える前にひっそりと立ち去ります。その朝、何志武のもとに誰かから誕生時おめでとうというメッセージが届きました。

警官663号は、フライトアテンダントの彼女と付き合っていて、彼女のことを待ち続けています。ある時、警官663号は飲食店で、大音量で音楽を流しながら働く阿菲と出会います。阿菲は警官663号に惹かれるようになります。程なくして警官663号はフライトアテンダントの彼女からふられます。阿菲は夢の中で警官663号の部屋に忍び込み、掃除をして、さらに内装を変えます。一方、警官663号は、一人でいる時には寂しさを感じて部屋の物が泣いていると感じます。夢が夢ではなくなり、阿菲と警官663号は警官663号の家で鉢合わせします。最終的に警官663号は、阿菲に「加州」(カリフォルニア)というバーで会おうと誘いますが、すれ違いになります。阿菲は本当のカリフォルニアを見たい、と考えて、一年後のエアチケットを残して去ってしまいます。一年後、阿菲はフライトアテンダントの姿で、もともと勤めていたお店にもどってきます。警官663号は、そのお店を買い取り、彼女のことを待っていました。

出会いとすれ違いに関する映画。

多くの会話は、広東語によってなされています。金城武は、北京語、日本語、広東語、英語などを使います。言語の面から見ると非常に面白いです。

物語の中に登場する人たちはみな独特であり、普通に考えたら奇妙と思えるような一面を持っています。しかし、逆にふつうの人というものはありえないのではないか、とも考えさせられます。
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