俞利军《余华与川端康成比较研究》 余華関連の評論 2015年10月28日 0 《余华与川端康成比较研究》は兪利軍による余華と川端康成の比較研究。 もともと《外国文学研究》2001年第1期に掲載。 基本的には、余華が川端康成の作品『伊豆の踊子』などを読みふけっていた、という記述に基づいて、両者の共通点と相違点を挙げていくものになっています。 ・余華と川端康成の少年期と青年期は恵まれていない点で共通している←疑問有 共通点 ⇒川端康成は幼い頃にほとんどの肉親を失い、ほとんど失明した祖父とともに生活。 ⇒余華は、父親は医者、母親は看護師、ほとんど構ってもらうことがなく、兄に苛められる 相違点 ⇒川端康成が向き合ったのは祖父の老衰と失明 ⇒余華が対峙したのは兄の権力 それが、二人の作風に影響した。 共通点 ⇒川端康成の初期端篇『伊豆の踊子』 寄宿生活の影響から自然への憧憬へ ⇒余華の初期短編《第一宿舎》は川端康成の影響が深い。《疯孩子》も寄宿生活の影響 共通点 ⇒川端康成は社会が激変しているが、政治には関心を持たず回避して、かえって周縁におかれた人に目を向ける ⇒川端康成をこのむ余華は柔らかく細やかな作品からひっそりとした美が情緒に富むとまなぶ。そのあらわれのことば「虽是微小的人生,而我觉得是咀嚼不尽的」 共通点 ・小人物への注視・社会の下層にいる人への関心 ・極端な個人主義、極端な視点(虫の死を細かく観察、など) ・奇妙な比喩、『温泉宿』、『禽獣』のラスト(死にゆく娘の化粧姿がお嫁に行くみたい) 東洋の言語だからこその象徴性 相違点 ・余華のほうがユーモアの要素が多い ・あとになって余華の作品は変化していく。川端の影響から、カフカの影響へ ⇒ふたご座の川端はあるスタイルの創作に厳格に依拠して、哀傷はあるが憤怒はない、苦しみうめくことはあっても反抗はない。虚無と絶望を用いて、潜在意識と無意識の行動を用いて、現実に対する反応をおこなおうとした ⇒牡羊座の余華は敵対、緊張、利己、残忍、暴力、さらに多くの思想を含む。「叫ぶ胡蝶」「灿烂」「响亮」「暴力」 PR