宮尾正樹・監修『紙の上の月 - 中国の地下文学』収録作品3 中国関連の本(日) 2015年12月01日 0 『紙の上の月 - 中国の地下文学』は中国でもともと地下文学とした発表された短編小説を収録したもの。 「飢餓」 《饥饿》尹明1979・大西陽子翻訳 劉斌という気弱そうな青年の物語。文革の頃、有害な書物は禁じられていました。劉斌の姉は読書好きでしたが、言いがかりをつけられて迫害されています。劉斌は、ある中年男性からジャック・ロンドン『生命の愛』をもらい、喜びます。その後、学校の図書館の本が次々と破棄されていることを知り、本を救おうとして深夜忍び込み、持ち出します。その後、正直でありたいと思い直して、その罪を白状します。結果として、拷問を受けて正気を失います。そして、紅衛兵となって家に舞い戻ってきます。 「多国籍アパート」《人堆人》劉索拉1990・西野由希子翻訳 ロンドンのアパートに住んでいる私の物語。下の部屋に引っ越してきた人が大音響で謎の音楽をかけるため、私と周囲の人たちの交流が始まります。 「悲しき六月」 《如泣的六月》葉曙明1990・宮尾正樹翻訳 さまざまな断片がかき集められたかのような小説。要約が困難です。非常に中国らしさを感じさせない小説。 「瞬間」 《瞬间》高行健1991・宮尾正樹翻訳 さまざまな断片がかき集められたかのような小説。要約が困難です。 高行健の書いているような小説に関して、分析することはなかなかに難しそうだと感じます。 PR