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中国文学映画関連 備忘録

那須賢一『中国の選択 鄧小平外交と「四つの近代化」』

那須賢一『中国の選択 鄧小平外交と「四つの近代化」』は、日本人による中国政治の分析。1981年に出版された本であり、当時の政治状況が色濃く反映されていて興味深いです。限られた公開の情報やその端々(たとえば、言葉の順序)から、共産党内部の状況を推測する手法には頭が下がります。

また、那須賢一さん自身の政治的立場も文章全体ににじみ出ていて考えさせられます。著者は、基本的には社会主義には賛同していて、なおかつ中国が親米路線をとることは、資本主義諸国に取り込まれかねない望ましくない政策とみているようです。

「1 華=鄧体制下の政治路線と指導者の変遷」
中国の政治体制内部でどのような変化が起こっているのか、そして、内政にどのような変化が生じたのかを分析しています。さまざまな勢力による重要ポストの配分などから、どのように華国鋒から鄧小平へと権力が移行していったのか推測していく部分などは興味深いです。

「2 毛沢東以後の中国外交と覇権主義」
中国政府がとっている反ソ親米路線と、覇権主義的外交政策(ベトナム侵攻など)の原因に対する分析。著者は、その姿勢を、資本主義諸国に取り込まれるものとして批判的に分析しています。

2017年時点から振り返って検討した場合、当時の中国の政策はどうだったのか、など考えさせられました。

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