『中国文学雑談―吉川幸次郎対談集』2 中国関連の本(日) 2017年11月14日 0 『中国文学雑談―吉川幸次郎対談集』に収録されているのは、吉川幸次郎と井上靖、中野重治、桑原武夫、石川淳、石田英一郎、湯川秀樹との対談。 吉川幸次郎と中野重治の対談は、話がかみ合っているのかかみ合っていないのか分からなくて面白かったです。基本的には、中野重治が喋りたいことを好き放題に喋り、吉川幸次郎が合いの手をいれるといった調子。ただ、中野重治の喋っている内容は、しばしばなんともいえないかんじ。 ただ、軍人に賜りたる勅諭はすっと入ってくるのに、教育勅語はすっと入ってこない、と中野重治が語るのは興味深いと感じました。 杜甫とプーシキンは偉大だという話になって面白いと感じました。そこからゲーテにまではなしが及ぶのがさすがとしかいいようがないです。 改めて吉川幸次郎が荻生徂徠を重視しているのがよくわかりました。 湯川秀樹は、キリスト教や哲学の問題なども含めながら、ヨーロッパにおいて科学が生まれた背景まで滔々と語っています。凄い人だと改めて感じました。 PR