忍者ブログ

中国文学映画関連 備忘録

宮尾正樹・監修『紙の上の月 - 中国の地下文学』収録作品2

『紙の上の月 - 中国の地下文学』は中国でもともと地下文学とした発表された短編小説を収録したもの。
「紙の上の月」《稿纸上的月亮》北島1980・西野由希子翻訳
小説家・丁玉龍の物語。丁玉龍のもとに、小説家になりたいと望む若い娘が現れますが、丁玉龍は小説家にならない方が良いと忠告します。丁玉龍の周囲には、妻の娟、息子の冬冬、友人の康明、出版を助けるじいさん、ばあさんなどがいて、生活は営まれていきます。
「僕たちの夏」《没有太阳的角落》史鉄生1980・栗山千香子
身体障碍者の僕、鉄子、克倹は、日々、官女を描いています。三人は世間から差別されていることをよく理解していますが耐え抜いています。その三人のもとに王雪という少女のように純粋な女性があらわれます。三人と王雪はいっしょに映画を見に行きます。しかし、王雪は正規の仕事を手に入れて去っていくことになります。

「雪 -遠い風景」《远方 -雪》 萬之1980・阪本ちづみ
私と妹の物語。私と妻の間にはまもなく子どもが生まれようとしています。しかし、文革の頃に家出して農村に嫁いだ妹・雪児にもまもなく子どもが生まれるという知らせが届きます。母親は妹を心配して、私とともに農村に向かいます。農村は雪に包まれていました。私と母は途方にくれますが、寧という医師にたまたま再開して、雪児のもとに向かうことができます。雪児は難産であり、赤子は死にます。そして、雪児も危篤状態に陥ります。
PR