「東京留学生歓迎会における演説」は、孫文が東京の中国人留学生に向けておこなった演説をまとめたもの。
『原典中国近代思想史 第三冊』に収録。1905年8月13日の演説。
近藤邦康翻訳。
今では革命が必要であると誰もが認めている。日本は最初は中国の文化を、後には西洋の文化を取り入れて発展したが、中国が自身の文化を転用するならば、日本を追い越すことができること間違いない。中国は、五千年の歴史がある。他の古代文明は滅びたが中国は滅びなかった。
そして、ヨーロッパでも日本でも古いものは新しいものにすべて置き換わったのだから、中国でも同じようになる。中国は大きく、強く、中国が発憤して強者となれば、誰からも蔑まれないだろう。日本の維新は数人の志士が原動力となってわずか三十数年で成し遂げられた。中国でも同じようにできるだろう。中国でも段階を踏んでいくべき、というものがいるが、それは道理から外れている。最新のものをとれいれたら良いのだ。共和ができない、というものはそれこそが進化の公理に反する。