《小城三月》は蕭紅最後の小説。1941年7月。
中国の女性を描き出した小説。
作品は、児童の視点から描かれています。物語の主人公は、私が「翠姨」とよぶ義理の姉です。翠姨は非常に奥ゆかしい人であり、思っていることをなかなか口に出しません。そして、学校に通ったことがありません。だから、学校に通う私のことを尊敬して、私に様々なことを相談します。また、翠姨は楽器を非常に得意としています。
翠姨は醜くて背の低い男と婚約させられます。しかし、密かに、ハルビンで勉学に励む私のいとこに対して恋心を抱いています。しかし、それを口に出すことはありません。翠姨は教育に対して憧れを抱いており、教育を受けるチャンスを得ようとします。そして、家庭教師からさまざまなことを学びます。
その後、翠姨は三年間の婚約期間が終わり、結婚を迫られます。翠姨は結婚したくないので病になります。それでも周囲から迫られて、ハルビンで結婚のための準備をします。紳士的ないとこの知り合いたちとの日々は、一生の中でもとくに愉快な日々となります。
その後、いとこが翠姨を見舞った時、翠姨は病床で、「あなたが来てよかった、本当に良かった、私は決して忘れることはないだろう。ただ、私はどうしてかわからないが今すぐに死にたい」と、自分の思いを切々と告げます。しかし、いとこは何も答えることかできません。その後、翠姨は自ら命を絶つようにして、病でなくなります。
都市と田舎の対比が非常に印象的です。
また当時の風物などが書き込まれていて非常に興味深いです。