贾樟柯《世界》 映画(中文) 2016年01月26日 0 《世界》は贾樟柯監督の2004年の作品。 赵小桃(赵涛)は山西人。北京に上京して、北京の世界公園でダンサーをしています。彼の現在の彼氏は公園の警備員・成太生(成泰燊)です。赵小桃は結婚を望みますが、成太生は曖昧な態度をとり続けています。成太生の同郷人、三赖(王宏伟)は“二姑娘”というあだなの若者を北京に連れてきて建築現場でともに働きます。 成太生は友人から頼まれて、廖姐(黄依群)に付き添い、山西省に借金の処理に行きます。赵小桃は公園でロシア人の女性アンナと知り合いますが,アンナは程なくして仕事を替えます。そして別れ際に赵小桃はアンナから歌を教わります。成太生は赵小桃に汚いホテルでセックスを迫りますが、赵小桃は拒絶します。成太生は廖姐に接近します。一方、赵小桃は同僚とともにカラオケに誘われて、その席で男性から関係を迫られますが拒絶します。そして、そのカラオケのトイレで偶然アンナと再開して涙します。 “二姑娘”は夜中に残業して事故に遭います。そして、さまざまな人間に借金している、と書き残して死にます。彼の兄(韩三明)は北京にして救済金をもらって帰ります。赵小桃は遂に成太生との性行為に同意します。しかし赵小桃は、廖姐が出国する間際、成太生に送った愛のメッセージを発見します。そして、二人の間には距離が生まれます。最終的に二人は部屋で、一酸化中毒になります。 赵小桃という女性に関する映画。 長回しが多く、さまざまな風景や音が画面の中にはいりこんでいます。とくにテレビの音や近くの物音などが台詞と並行して聞こえることにより、臨場感が生まれています。また、顔のアップはほとんどありません。だから、かえって登場人物の表情や心情を推測させられることになります。 ロシア人とのやりとりの中で、分かり合うとはどういうことかと考えさせられました。 登場人物と同じくらい、風景が重視されています。不自然にも思えるアニメーションが挿入されることにより、いっそう北京の風景が浮き立ちます。 脇役ですが、韩三明の存在が印象に残ります。 動物とダンスに関して、気になりました。他の贾樟柯映画でも動物とダンスが特徴的に描かれていたので、総合的に分析したら面白そうです。 《世界》(2004■贾樟柯■赵涛、成泰燊、黄依群■『世界』) PR