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中国文学映画関連 備忘録

张艺谋《一个都不能少》『あの子を探して』

《一个都不能少》『あの子を探して』は张艺谋監督による1999年の映画。

13歳の少女・魏敏芝は、高老师の代理として一ヶ月授業を行うことになります。高老师は魏敏芝が幼いため心配しますが、他に代理は見つかりませんでした。水泉小学にはもともと3~40名の生徒がいました。しかし、新学期ごとに生徒は去り,残されたのは28人だけでした。高老师は魏敏芝に対して、生徒の面倒をよく見て、一人誰かが去るようなことはあってはならないと言います(一个都不能少)。魏敏芝は毎日、生徒に黒板の文字をうつさせます。しかし、生徒たちは全く先生の話を聞きず、ふざけます。魏敏芝は諦めて、教室を締め切り、ドアを見張るだけでした。十歳の张慧科は家族が借金したため街に出稼ぎに行きます。魏敏芝は高老师の言いつけを守り,张慧科を連れ戻すことを決心します。そして、生徒たちとともにバス代を稼ぐため努力します。その後、魏敏芝は単身街に乗り込みます。しかし、テレビ局は、特別に魏敏芝を農村の教育問題に関する特集で出演させます。その結果、张慧科は見つかり、さらに水泉小学には寄付として多くのお金やチョークが届けられました。

施祥生の小説《天上有个太阳》を改編した作品だそうです。

とくに魏敏芝がテレビの前で言葉を紡ぎだす場面は非常に心を打たれます。当初喋り出すことができず、何度も何度も促された後、言葉を発します。

時間をたっぷりと使った映画。

様々な雑音が背後で響くことにより、都会の喧騒が表現されています。

《一个都不能少》(1999■张艺谋■魏敏芝■『あの子を探して』)
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