余华《没有一条道路是重复的》収録エッセイ5 余華の小説随筆 2015年11月04日 0 「十九年前的一次高考」 19年前に受けた高考に関して。余華が1977年高校を卒業した年から下放が終わり、高考が再開されました。しかし、農村で苦しい生活を経験した既卒者と比べて、その年の卒業生は切実な思いを待たず、真剣ではなかったため、受験に受かることはなかったそうです。下放を経験した世代と、その後の世代の格差など、考えてみると興味深いです。1996/4/8 「我的第一份工作」 初めての仕事・歯科医としての生活を振り返ったエッセイ。余華は一年間医学の勉強を受けた後、歯科医として働き始めました。ただ、医学の一端に携わるというイメージではなく、街中のお店のようなイメージだったそうです。当時のことが克明に描かれています。とくに力を込めて描かれているのは、余華の師匠だった沈先生とのエピソード。沈先生に頼まれた二つのことができなかったこと。写真の印刷と、家の窓の柵。2001/4/12 「回忆十七年前」 デビュー当時のことを振り返ったエッセイ。余華は、23歳の時《北京文学》に送った三つの小説が採用されて小説家としてデビューすることになりました。創作に駆り立てたのは、歯科医を辞めて文化館で働きたい、という思いだった、と記しています。その他、《北京文学》の編集である周雁如との様々な思い出。余華を見出した王潔という人とのかかわり、など。 「谈谈我的阅读」 読書経験に関して。文革時期、本のない時代、余華は必死に結末の欠けた本を読みました。あとになって、その本が、モーパッサンの『一生』だったと知り、結末を知ります。その後、改革開放の時代になると本が山のように出版されます。余華はジャック・ロンドンの言葉にしたがって、雑誌ではなく、古典を読みました。それが余華にとって大きな財産になった、というはなし。1999/11/4 「应该阅读经典作品」 古典を読むべきだと主張するエッセイ。2001/1/28 「写作的乐趣」 創作は楽しみだと記したエッセイ。創作とはなんであるか、ということを説明した内容。当初は良いフレーズを編み出した時喜んだこと。とくに長編小説は一生を経験するのと同じだということ。作者は同時に読者だという視点も重要だということ。1999/11/12 PR