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中国文学映画関連 備忘録

水谷尚子『「反日」以前 中国対日工作者たちの回想』

『「反日」以前 中国対日工作者たちの回想』は水谷尚子が聞き取りをもとにして、さまざまな中国人の体験をまとめたもの。

貴重な証言が数多く含まれています。とても勉強になりました。ただ、個人的には日中で意味の異なる「工作者」という言葉をわざわざタイトルに採用する点(編集者がつけたのかも知れませんが)、現在日本との交渉にあたっている中国人政府関係者に対して辛辣な点など著者の態度には疑問点は覚えました。

原清子は、延安で数少ない日本人女性としてラジオ放送に携わった人物。

趙安博は、日本留学経験があり、延安では日本人捕虜の教育にあたりました。そして、戦後日本との折衝の最前線で活躍した人物でもあります。

黄乃は日本でエスペラント普及に関わり、帰国後は延安で野坂参三を支え、また『敵情』の編集長もつとめました。戦後は失明しますが、中国語の点字を改良して失明した人たちのために尽力しました。

康大川は『人民中国』日本語版の実質的な立案者であり、編集長。台湾出身、日本で学び、流暢な日本語を用いたそうです。



第1章 生きていた「延安ローズ」原清子
第2章 趙安博回想録 対日工作現場の第一線にいた人物が語る日中関係史の一断面
第3章 黄乃回想録 辛亥革命の英雄・黄興遺腹子の抗日戦争
第4章 康大川回想録 中国の日本語雑誌『人民中国』初代編集長の生涯
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