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『リラの花散る頃』は巴金の短編小説集。さまざまな年代の作品が網羅的に収録されています。
「ロベールさん」《洛玻爾先生》1930
ジャックという少年は、愛の歌を歌い続ける老人ロベールさんを疎ましく思っています。しかし、ジャックは母親から注意されて、ロベールさんを丁寧に扱うようになります。あるとき、ロベールさんが姿を見せなくなります。ジャックは心配してロベールさんのもとに赴きます。ロベールさんはベッドで、自分が音楽家であり、かつて母親とあやまちをおかした、と告げます。そして、ジャックの実の父であると明らかになります。その後、ジャックはロベールさんを看取ります。
「リラの花散る頃」《丁香花下》1930
フランスの物語。兄アンドレを戦争で失ったイフラのもとに、兄の戦友アンリが訪れます。アンリは、アンドレが最期に残した手紙を手渡しました。その手紙には、イフラの恋人であるルートヴィヒを殺してしまい、戦争の残酷さと無意味さを悟った、という告白が書かれていました。
「バラライカの思い出」《啞了的三角琴》1931
父の書斎に弦の切れたバラライカがかかっていた。主人公の少年はそれが気になって父が留守の間にバラライカに手を伸ばしますが、誤って落下させて壊してしまいます。その後、父は、そのバラライカと亡き母の来歴を語りました。かつて、父母がシベリアの流刑地に音楽の採集に出かけた時、ラジチェフという男と会いました。そのラジチェフは来訪者のおかげで、バラライカを渡されて、素晴らしい演奏を行いました。しかし、その後はまた泣きながら、監獄の音楽のない生活に戻されました。その時、父母はラジチェフから「ヤロスラブリ州の××村の教会の聖母像の前にラジチェフに代わってろうさくをたててほしい」とお願いをされましたが、忙しくてそのお願いを聞き届けることができませんでした。それを忘れないためバラライカはずっとかかっていたのでした。