《让子弹飞》『さらば復讐の狼たちよ』は姜文監督による2010年の映画。
民国八年(1919年),県長の地位を金で買った马邦德(葛优)は妻(刘嘉玲)、师爷(冯小刚)とともに任地へ向かう。その途中で馬賊の「张麻子」(原名张牧之,姜文)の待ち伏せに遭い、夫婦だけが助かる。马邦德は命を守るため汤师爷と名乗り、「张麻子」を言いくるめようとする。张麻子は马邦德の言葉に従い、県長のふりをして鹅城に行き、財産を得ようとする。しかし、鹅城は物流によって巨額の富を蓄えた土豪の黄四郎(周润发)によって支配されていた。张麻子と黄四郎は相容れず、争うことになる。最終的に张麻子は民衆に銀を配り、それを黄四郎に回収させることによって民衆の黄四郎への怒りを煽る。さらに、民衆に大量の銃を配り、黄四郎の影武者を殺して民衆をたきつけることによって、黄四郎を倒した。
四川作家・马识途の長編小说《夜谭十记》の中の《盗官记》の一節を映画化したそうです。
张麻子(姜文)、黄四郎(周润发)、马邦德(葛优)の三つ巴の戦いが描かれています。张麻子(姜文)は学問を知りませんが戦闘に長けています。公平を理念として掲げます。一方、黄四郎(周润发)は圧倒的な権力を背景として、残虐な手段を用います。一方、马邦德(葛优)は達者な口と強い者に従う戦略で勝ち残ろうとします。
中国では2010年最大のヒットになり、国産映画の記録を塗り替えたそうです。
黄四郎(周润发)の影武者が物語の中で思わぬ活躍を見せます。その点が非常に面白いです。
女性も一応登場しますが基本的には男たちの戦いの物語になっています。ただ、その男たちも決して英雄ではなく、欠点がある者として、シニカルかつコミカルに描き出されています。その点が面白いです。
《让子弹飞》(2010■姜文■姜文、周润发、葛优、冯小刚、刘嘉玲、周韵■『さらば復讐の狼たちよ』)