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中国文学映画関連 備忘録

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陈正道《催眠大师》

《催眠大师》は陈正道監督による2014年の映画。

精神科医师徐瑞宁(徐峥)は「睡眠療法」によって様々な精神病を治療することに長けています。性急に病気を治そうとするので、「催眠大师」と称されています。徐瑞宁は、香港から来た患者・任小妍(莫文蔚)の治療を任せられます。任小妍は幽霊が見えると語ります。多くの精神科医が任小妍の治療に取り組みましたが成功しませんでした。徐瑞宁は睡眠療法で任小妍の心の中に分け入り、任小妍が孤児であること、そして未婚の夫(王耀庆)との離別が大きな問題をもたらしていると探り当てますが・・・
サイコスリラー映画。

徐瑞宁(徐峥)と任小妍(莫文蔚)の対決が物語の軸になっています。予想を裏切るようなどんでん返しが待っています。非常に見ごたえがあります。

ホラー映画の技術などが活用されています。人を不安にさせるような音楽の使い方が巧みだと感じました。

しかし、最終的には全て辻褄が合うことになります。脚本がよく考えられていると感じました。


《催眠大师》(2014■陈正道■徐峥、莫文蔚、吕中、胡静■)
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王晶《整蛊专家》

《整蛊专家》は王晶監督による1991年の映画。

胡征(周星驰)は金銭をもらって人を陥れるプロである。一方、车文杰(刘德华)は真面目な社員だ。车文杰のもとに同僚として程乐儿(关之琳)があらわれる。程乐儿は会社の社長・程运涛の娘だが会社の実情を知るため、そのことを隠して働いている。车文杰と程乐儿は魅かれ合う。そのため、程乐儿の元彼氏・金麦基は胡征に车文杰を陥れるよう依頼する。胡征は车文晶という偽りの名前で、车亲仁(吴孟达)・车文杰親子のもとに突如現れて、自分は车亲仁の私生児だと告げる。胡征は车文杰と程乐儿の恋愛を妨害するが、その度に失敗する。その過程で、胡征は乐儿の親友・巴娜娜(Banana・邱淑贞)に惹かれる。胡征は最終的に、日本の会社との契約を失敗させて车亲仁・车文杰親子を退社に追い込む。しかし、胡征は车亲仁・车文杰の温かさを感じて反省、、巴娜娜の手配で车亲仁・车文杰に謝罪する。さらに、胡征は车文杰と程乐儿の仲を取り持とうとする。金麦基は程乐儿と婚約して、さらに他の人を陥れるプロ(程东)を雇い、车文杰を殺そうとする。しかし、胡征、车亲仁、车文杰は敵を打ち負かして车文杰と程乐儿は遂に結ばれる。その後、胡征が本当に车亲仁の私生児だと分かる。

コミカルな香港映画。

物語は、车亲仁(吴孟达)・车文杰(刘德华)と胡征(周星驰)の疑似家族の関係、车文杰(刘德华)と程乐儿(关之琳)の恋愛をめぐって展開していきます。

刘德华と周星驰が共演しています。刘德华が周星驰に促されるようにしてコミカルな場面を演じている点が印象に残ります。二人で音の外れたミュージカルを始める場面などは、失笑を誘います。

そして、周星驰・吴孟达コンビの圧倒的な破壊力も見ていて楽しいです。ひたすらふざけています。

また日本との関係に関してもだいぶブラックなジョークのネタとなっています。


《整蛊专家》(1991■王晶■刘德华、周星驰、吴孟达、关之琳、邱淑贞、程东)

关锦鹏《阮玲玉》『ロアン・リンユィ 阮玲玉』

《阮玲玉》『ロアン・リンユィ 阮玲玉』は关锦鹏監督による1991年の映画。

阮玲玉の人生を再現した映画。阮玲玉は16歲で映画界に足を踏み入れた後、僅か9年の間に29編の映画に出演した。その役柄はほとんど悲劇のヒロインだった。阮玲玉は中国映画界における最初期のアイドルの一人であり、多くの人が彼女を追い求めた。しかし、彼女は、張達民、唐季珊、蔡楚生などの男性の間で揺れ動き、そのことが彼女自身を苦しめた。また、世間から衆目を浴びたことがさらに彼女を追い詰めた。1935年3月8日,阮玲玉は「人言可畏」という文字を山のように綴り、自殺した。
 
阮玲玉自身のストーリーの間に、当時存命だった人たちに対するインタビューや、张曼玉たち現代の人々による阮玲玉に対する述懐、阮玲玉自身が出演した映画の映像が挿入されています。映画ととは何か、ということを考えさせられます。
 
阮玲玉自身が出演した映画の映像は、無声映画です。そのため今改めて見ると興味深いです。音がないからこそ、表情と全身を使って表現することが求められます。
 
非常に静かな映画です。ただ阮玲玉自身が自殺へと追い込まれていく場面などは、彼女の激しい内心を想像させます。
何と言っても目を引くのは张曼玉です。
 
 
《阮玲玉》(1991■关锦鹏■张曼玉、秦汉、梁家辉、吴启华■『ロアン・リンユィ 阮玲玉』)

周星驰、李力持《喜剧之王》

《喜剧之王》は周星驰、李力持監督による1999年の映画。

尹天仇(周星驰)は一貫して芝居にひかれていて,臨時の役者をしながら、街の福利会で芝居の指導をしている。しかし、独自の理論を振り回して毎度失敗している。ある時、柳飘飘(张柏芝)などバーで働く女性たちが芝居を学びに来る。その後、尹天仇は柳飘飘に芝居を教えるようになり、柳飘飘は男性から好かれて儲けるようになる。尹天仇は最終的にビッグスター鹃姐(莫文蔚)から見出されて男性の主役に抜擢される。しかし、その抜擢は結局なしになる。その後、尹天仇は覆面刑事(吴孟达)に頼まれて犯罪を暴き、犯人たちを銃撃戦の末倒す。その後、尹天仇は福利会でますます芝居に精を出した。

コメディ映画。

物語の展開はよく考えてみるとよく分からない部分がないわけではないのですが、その点を掘り下げてもそれほど意味はなく、相変わらず面白いです。周星驰の映画の中では、恋愛の部分などが比較的しっかりと普通に描かれている作品といえそうです。

尹天仇が芝居として取り組むのは《雷雨》《精武門》などです。

とくに面白いと思ったのは、周星驰が全く裏社会の人間らしくない若者に対して裏社会の道を教えようとして、結果として青年が酷い仕打ちにあう場面など。


《喜剧之王》(1999■周星驰、李力持■周星驰、莫文蔚、张柏芝、吴孟达、成龙■)

周星驰《長江七号》『ミラクル7号』

《長江七号》『ミラクル7号』は、周星驰監督による2008年の映画。

周铁(周星驰)と、その息子・周小狄(徐娇)の物語。周铁は建築現場で働く労働者です。しかし、僅かな給料を全て使い、周小狄を貴族学校に通わせています。周小狄は貧しさゆえに苛められています。周小狄は同級生の持っていた「长江一号」という玩具を欲しがりますが貧しくて手に入りません。その後、たまたま周铁は宇宙人の玩具(あだなは「长江七号」からとって「七仔」)を拾い、周小狄に渡します。周小狄は、「七仔」が超能力でテストを助けてくれると夢見ますが、現実では役立たないので一度はごみ箱に捨てますが、「七仔」のことを次第に好きになっていきます。その後、周铁は勉強の邪魔になるからといって「七仔」を取り上げます。周小狄は反発して、及第点をとるといって猛勉強します。しかし、テストで及第点を取った後、周铁は工事現場で事故死します。その後、「七仔」の超能力で周铁は蘇ります。周小狄はもっと勉強すると泣きながら誓いました。一方、七仔は力を使い果たしてキーホルダーになり動かなくなります。周小狄が待ち望んでいると、また宇宙船が現れて、周小狄に向かって大量の「七仔」が走ってきます。。。

SF映画。

周星驰らしい演出は若干少ないです。そして、少年が主人公なので、周星驰が登場する場面も若干少ないです。その点物足りなく感じます。

ただ、相変わらず楽しい場面などは数多くあります。とくに少年が、大活躍する「七仔」を夢見る場面は印象深いです。その他、少年たちや周铁が過剰に「七仔」をいじりまわして叩き潰す場面など、かなりブラックです。

普段はそれほど力を発揮しないので期待を裏切る「七仔」がかわいいです。しかし、いざという時には、活躍します。周铁がよみがえる場面では、心を打たれます。

主人公の周小狄を演じているのは、実は徐娇という女の子だそうです。女性が男性を演じているという点は面白いです。


《長江七号》(2008■周星驰■周星驰、徐娇、张雨绮、林子聪■『ミラクル7号』)