李陀《1985》 李陀 2018年02月24日 0 李陀《1985》は李陀による1985年の回顧。 阿城《棋王》の結末。文革と改革の中で小さなグルーブが生まれて闊達な議論が交わされたことに関して。危機感からの北岛《回答》。毛沢東による「工農兵文芸」からの脱却としての汪曾祺《受戒》、そしてそれに続く尋根文学。意識の流れを模倣して批判された王蒙の《春之声》《海的梦》。 そして文学の世界意外にも及んださまざまな変革。詩歌における《深圳青年报》など、芸術における各種展覧、《黄土地》をはじめとする映画における第五世代の変革。 「現代化」に対する反省。五四以降の中国にとって課題として出現してきた「現代化」に対する再考。西方式的“现代化”为什么必定是一股不可抗拒的潮流?という問いは極めて興味深いです。 そして、尋根文学が提起されたともいわれる杭州会議に関して。 示唆に富む評論。 李陀からよれば「傷痕文学」「改革文学」もまた「工農兵文芸」の延長でしかなく、本当の転換点は1985だという指摘は興味深いです。 PR