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中国文学映画関連 備忘録

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4/20「好男好女」

侯孝賢《好男好女》(1995年)は台湾日本合作の歴史映画。

作中では、1950年代台湾の白色テロで夫を失った女性・蔣碧玉の物語と、蔣碧玉に関する演劇と、劇の中で蔣碧玉を演じている現代の女性・梁静の物語が交錯します。

標準語と台湾語(闽南话)、広東語(多分)、日本語が入り乱れています。とくに台湾語で難解な事象に関して論じている場面が、興味深かったです。また、劇中で再現されている台湾の風俗には目を引かれました。

失われかけた台湾語・台湾を再現しながら、台湾アイデンティティを抑圧した白色テロの傷跡の記憶を描いている、とするならば、この作品は台湾復興の一つのあらわれである、と映画評論家ならば言いそう。なかなか一筋縄でいく作品ではなさそうですが…
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4/16「客途秋恨(1990)」

許鞍華監督作品「客途秋恨(1990)」はとても興味深い映画でした。香港、澳門、広州、日本にまたがる物語。
晓恩はイギリスで修士号をとった後妹の結婚式に参加するため香港に帰ります。再会した日本人の母親との反目の中、幼い頃澳門の父方の祖父母の家で祖父母に懐き、母親とは仲が悪かったことを想起します。その後、精神的に苦しむ母親のため、晓恩は母親とともに日本の母親の実家に帰りますが、日本語の世界で疎外感を感じて、母親への共感を持ち、また戦時中満州における父母の偶然の出会いを理解して、様々なことを考えます。

中国語、英語、日本語、広東語などが入り混じっていて言葉の面から考えても面白そう。
また、昔の香港や広州や日本の風景がそれぞれとても綺麗なので、その点もみごたえがありました。