史铁生《我与地坛》 中国関連の本(中) 2017年07月23日 0 史铁生《我与地坛》は、車椅子作家・史鉄生がみずからの思い出をつづった散文。 母親への思い、地壇にあらわれた人たちの思い出などを綴っている。最終的には、哲学的な話題にも踏み込んでいき、なぜ生きるのか、なぜ書くのかといった問いに自分なりの答えを出す。 史鉄生はかつて、毎日のように地壇に行き、一人で過ごしていたという。その際自分の不幸のことばかり考えていた。一方、母親は何も言わず、送り出した。しかし、今思えば、母親こそがより苦しんでいたのではないかと史鉄生は推測する。 その上、史鉄生がデビューする二年前に母親は亡くなり、自らの成功を母親に見せることもできなかった。 知的障害のある少女の思い出を綴った部分で触れられる、苦難があるからこそ幸福が意味を持ち、醜さがあるからこそ美しさが意味を持つといった考え方は印象的。 PR
三毛《不死鸟》,王小波《一只特立独行的猪》 中国関連の本(中) 2017年07月22日 0 三毛《不死鸟》 三毛は自分が死ねば夫と父母が悲しむので、家族のために暫時の不死鳥になる、と記す。 王小波《一只特立独行的猪》 文革時期、農村で労働に従事した時、出会った一匹の独立不羈な豚の物語。その豚は、人に管理される他の豚とは異なり、自由に振る舞う。王小波は豚を兄と慕う。豚が時間を知らせる汽笛の音を覚えて煩わしいため、人々は豚を殺そうとするが、豚は脱出する。 ブラックユーモアにあふれた作品。
河村昌子『巴金 その文学を貫くもの』 中国関連の本(日) 2017年07月17日 0 河村昌子『巴金 その文学を貫くもの』は巴金の文学に対する研究。 新聞掲載されていた当時の誌面と対応させながら『激流』を読んでいくという方法はとても参考になりました。 《目次》 はじめに 序章 作家になるまで 第一章 新聞連載小説『激流』 第二章 著作と実践活動のはざまで 第三章 編集者として、作家として 第四章 戦時下で書くこと 第五章 『寒夜』――「小人小事」の物語 第六章 『随想録』――妻を悼む おわりに 初出一覧/あとがき/索引
川端康成「葬式の名人」「孤児の感情」「伊豆の踊子」 日本文学 2017年07月09日 0 川端康成の短編集を借りました。 「葬式の名人」 身近な人が続々と亡くなり、そのたびに葬式に出る、というはなし。とくに思い出されるのは姉と祖父の死。 「孤児の感情」 早くに父母を失ったので、それを思い出すことができない、というはなし。妹が結婚に備えて、東京に来る。妹に対して、恋のような感情を抱く。 「伊豆の踊子」 言わずと知れた川端康成の代表作。踊り子に対して淡い恋心を抱く、という物語。
『歴史の周縁から 先鋒派作家格非・蘇童・余華の小説論』 中国関連の本(日) 2017年07月05日 0 『歴史の周縁から 先鋒派作家格非・蘇童・余華の小説論』は森岡優紀による先鋒文学作家に対する研究をまとめたもの。 格非・蘇童・余華を先鋒文学作家としてまとめて、その特徴を分析していく構成となっています。基本的には、蘇童に対する分析が一番多い印象を受けました。キーワードは「周縁」。60年代生まれは、上の世代とは異なり、周縁から中国の歴史と向き合ってきた、といういうような分析となっています。 作風は三者三様なので、面白いと感じました。 以下は目次。 はじめに 第一部 先鋒派のはじまり 第一章 蘇州の少年時代〈蘇童〉 第二章 大人の世界への旅立ち〈余華〉 第三章 「意味」を探し求めて〈格非〉 第二部 先鋒派の文学形式 第四章 虚構のちから〈蘇童〉 第五章 深層の記憶〈格非〉 第六章 文化大革命と六〇年代生世代〈蘇童〉 第三部 先鋒派の周縁 第七章 歴史の周縁から〈格非〉 第八章 新しい「現実」の構築へ向けて〈余華〉 おわりに 付録 「先鋒派」作家インタビュー 蘇童訪問録(一九九九年夏) 格非訪問録(二〇〇五年八月) 余華訪問録(二〇〇五年春)