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中国文学映画関連 備忘録

王家卫《花样年华》

物語の舞台は、1962年の香港。新聞社で編集をしている周慕云とその妻が、上海人の集まるアパートに引越してきます。同じ日、陈太太苏丽珍とその夫も引越してきます。お互いの配偶者は海外出張といって日本に行き、なかなか帰ってきません。後になって二人は自分の配偶者がお互いの配偶者と付き合っていると察知します。そして、お互いに惹かれあいます。周慕云は連載小説を書き始めて、自分の書斎を持ち、その書斎で苏丽珍と小説のストーリーに関して語り合います。最終的に、苏丽珍の夫が帰ってくることに伴って、周慕云は苏丽珍の前から去ります。最終的に、周慕云はアンコールワットで穴に自分の思いを語りかけて土で埋めます。
 
さまざまな謎が残されます。

チャイナドレスをみにまとう张曼玉と、スーツ姿の梁朝伟。二人が画面の中でさまざまな表情を見せます。とくに、座り続けて疲れたのかもぞもぞと動く、唇がかすかに動く、などといった細かい点に注目する点は面白いです。

また序盤では、狭い通路で、横から顔がうつされるシーンが多数ありますが、その点も面白かったです。
 
王家衛が毎回用いるモチーフが《花样年华》でも改めて登場します。
  
  周慕云が去る直前にかけた電話は、おそらく苏丽珍には届かなかったのではないか、という推理をまとめている人がいますが同感です。
 
   
《花样年华》(2000■王家卫■张曼玉、梁朝伟■『花様年華』)
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