余华《现实一种》 余華の小説随筆 2015年10月25日 0 《现实一种》は余華の中編小説。山岗、山峰兄弟一家の物語。 山崗と妻の間には四歳の息子・皮皮がおり、山峰と妻の間には赤子がいます。山崗たちの母親は奇怪な身体の不調に悩まされ続けてしばしば泣きますが無視されています。大人が出かけている間に皮皮が赤子を落としてうっかり殺してしまいます。山峰は激怒して、皮皮を殺そうとします。山崗とその妻は拒否しようとしていますが、結局皮皮を引き渡して皮皮は蹴り殺されました。その後、山崗は山峰を木に縛り付けて、山峰の足に肉の汁を塗り、犬に舐めさせます。山峰は笑い過ぎて死にました。その後、山崗は掴まり、銃殺されます。そして、その死体は医者たちによって切り刻まれて、医療のために使用されました。 余華の初期の作風を代表する小説のひとつ。 物語の中では、さまざまな暴力が描かれています。暴力の応酬が続くことにより、登場人物は次々と破滅していきます。 血の臭いと暴力こそが余華初期のテーマだと指摘する研究者もいますが、その根拠となりそうな作品です。感情のこもっていない無機質な文体、救いのない展開などの特徴もみられます。 母親の身体に対する違和感の持ち方(体の中の骨が折れていく)などは極めて興味深いです。また、最後の山崗の身体がばらばらにされていく描写も異様であり、分析してみる価値がありそうです。 PR