譚璐美『帝都東京を中国革命で歩く』 中国関連の本(日) 2017年12月19日 0 『帝都東京を中国革命で歩く』は、譚璐美が戦前日本に留学してきた中国人留学生の逸話を日本の土地とからめながら紹介していくもの。白水社。 学術書よりはくだけた感じなので、革命に従事した中国人の青年たちの姿が浮かび上がるようで興味深いです。秀才で損な立ち回りなために影の薄い宋教仁、無鉄砲で飛び出していき、勉強はあまりできない蔣介石、非常に優秀な勉強家・李漢俊、西郷を思わせる豪傑・黄興などなど。 「日華学会」が中国人留学生の受入れに関して大きな役割を果たしていたという逸話など全く知らなかったので面白かったです。 神保町は今でも古本街として有名ですが、当時からそれが全く変わらないということも改めて確認しました。 [目次] はじめに Ⅰ 早稲田 第一章 黄龍旗がはためく街——清国チャイナタウン 第二章 頭をふるって顧みず、われは東へ行かん——梁啓超の悲しみ 第三章 知られざる天才——憲政の祖・宋教仁 第四章 戸山の軍人学校——蔣介石の夢と憧れ 第五章 芥川龍之介より日本語がうまい帝大生——社会主義者・李漢俊 Ⅱ 本郷 第六章 清国人最初の日本語学校——弘文学院 第七章 中国の西郷隆盛——黄興の暮らしぶり 第八章 朝顔の咲く家——魯迅の思い出 第九章 関東大震災(一)——日華学会のなりたちと留学生支援 第十章 関東大震災(二)——本郷、麟祥院に今も眠る留学生たち Ⅲ 神田 第十一章 慈愛の宰相——周恩来の目立たない日々 第十二章 最大規模の日本語学校——東亜高等予備学校 第十三章 留学生の憩いの場——清国留学生会館と女傑・秋瑾 第十四章 留学生の胃袋、そして知恵袋——神保町の書店街 >立ち読み 第十五章 辛亥革命の後背地——日本各地に孫文伝説 PR