松井博光『薄明の文学―中国のリアリズム作家・茅盾』 中国関連の本(日) 2017年12月03日 0 『薄明の文学―中国のリアリズム作家・茅盾』は、松井博光による茅盾研究。 茅盾が日本滞在時何をしていたのか、どういう心境であったのか、といった点を茅盾自身のエッセイや資料から実証的に明らかにしていく部分などは非常に面白いと感じました。1979年出版なので、出版後にさらにさまざまな研究は進んだかもしれませんが、基本的な整理としては非常に優れています。 また、文学研究会の成り立ちに関してまとめた部分は流派研究として非常に面白いです。 第1章 霧と虹と紅葉―京都の茅盾 1 京都の霧/2 茅盾の来日と景雲里/3 虹と紅葉/4 陰陽鏡と嵐山/5 《牯嶺から東京へ》と《『倪煥之』を読む》/6 長篇『虹』/7 京都の隣人 第2章 文学研究会と大革命 1 商務印書館と交渉した若者/2 『新社会』グループ/3 葉紹鈞、孫伏園、周作人ほか/4 商務印書館の茅盾/5 『小説月報』の刷新/6 創造社と茅盾/7 〈五・三十〉前後/8 矛盾の爆発―広州と武漢/9 牯嶺から上海へ/10 『蝕』と《厳霜下の夢》 PR